Moog Mariana – Moog が繰り出す新世代ベース・シンセサイザー

RECORDING

Moog Mariana

日発表された Moog のベース音源、Moog Mariana について。今、制作しているプロジェクトでシンセベースのロングトーンがあり、サンプルを聴いてみると良さげなので、年末までの半額キャンペーンもあり買ってみた。Moog はハードウェアを再編する一方でソフトウェアにも力を入れてるね。会社の存続が一番。世界に存続すべき企業と思うので、積極的に支援もこめて。

Moog Mariana の解説

シンセサイザー部

Moog のベースシンセサイザーといえば、TAURUSMINITAUR が有名。MINITAUR はハードウェア・シンセサイザーながら、USB 経由で DAW と接続が可能なモダンなアナログシンセだ。Mariana のインターフェイスは一見すると MINITAUR にそっくりだ。

Mariana は、MINITAUR の焼き直し、という訳ではない。”The next evolution of Moog bass” と銘打っているだけあって、全く新設計のベースシンセサイザーだ。

MINITAUR が 2VCO 1系統というシンプルな構成なのに対し Mariana はデュアルレイヤー、つまりモノフォニックシンセが2機乗っかっている構成になっている。シンセサイザー(SYNTH 1 と SYNTH 2)+ SATURATION / DELAY エフェクトを二重に搭載し、それらを OUTPUT でまとめる構成になっている。エフェクトも 2系統、つまり、SYNTH 1/2 に別々のエフェクトをかけることができる、ということだ。OUTPUT には SYNTH 1/2 のレベルバランスのほか、PAN 、COMPRESSOR が付いている。

Moog Mariana

オシレータコントロール画面

Moog Mariana

LFO・エンベロープコントロール画面

Moog Mariana

エフェクト・ミキサー画面

シンセサイザーのオシレータ部は、2 OSC + SUB OSC とゴージャス。例えば OSC 1 に対し、薄く倍音の OSC 2 と SUB OSC をかけて…ということを1系統だけでできる(なので出そうと思えば 4和音までイケる)。フィルターもローパス・ハイパスを別々に、また SUB OSC 専用のフィルターも備える。非常にシンプルな構成ながら、かなり凝ったサウンドメイクができる。

コントロール系もソフトウェア音源ならではの過剰構成で(笑)、フィルター・アンプ・モジュレーション用にそれぞれ LFO + ENVELOPE が用意されている(!)。個別にパラメータが用意されていることで、LFO の配線を意識しなくても思ったノブを回せば音作りができる。

前述の OUTPUT も、モノで低位を自分で作らずとも PAN 含めて作りこめるのがイイ。左右に散らしたい時に、2系統あるので単純に PAN で振り位置をコントロールできる。ベースに必須のコンプがあるの便利。

プリセット

プロがデザインした(Patricia、Max Ravitz氏?すまん知らない)が 200種類付属しているが、ナカナカいい。Native Instruments Massive X のように派手だけど使い勝手が悪いプリセットと異なり、使いやすい音が揃っている。ベース音だけでなく、SEQ ARP のフレーズで使えそうな音、リード、パッド(なかなか頑張ってる)、ワイルドなドライブなどカテゴリー・タグ付けされたプリセットは探しやすくなっている。

触っていて楽しいので、どんどん自分のプリセットを追加していきたくなるね。

プラットフォーム

Moog Mariana iOS - iPad
プラットフォームは Desktop(macOS / Windows)と iOS が別商品。Desktop 版は16,400円(税込)、販売開始キャンペーンで半額くらい。各所で販売しているのでポイントや円レートを比較しながら買うのがよろし。iOS 版は現時点で 2,200円(税込)という価格、これも半額キャンペーン価格なのかな。

シンプルで使いやすいベースシンセ

Moog Mariana

動的なノブコントロールアサインも簡単

アナログシンセサイザーに慣れていない人は「ノブがいっぱいで難しそう!」と思うかもしれないが、モノシンセが2つという意外にシンプルな構成だ。MINITAUR をセットアップする機会が減ってしまいそう(苦笑)だが。

Moog のシンセサイザーは、UVI Falcon や NI Massive X、Arturia Pigments など非常に高度化したソフトウェアシンセサイザーと比較すると、シンプルでフォーカスが効いている分、万能選手ではない。「新世代ベース・シンセサイザー」と語ったが、アナログ回路的に楽器としてデザインされたベースとしては新設計で新世代、という感じ。でも、音作りへのアクセス・音作りのための敷居を考えると、Mariana の方向性の方が使いやすいし、音にキャラクターがあるので出番は多いと思う。半額キャンペーンだと 8,000円程度なので、気になる人はこの機会に。

少しプロジェクトで使ってみたインプレも追ってツイートしようと思う。

MOOG MINITAUR アナログ ベース シンセサイザー
MOOG Chassis Products
オシレーター1と2のVCOコントロールレベルに対し、二つのVCAミキサーを装備。調整可能なレゾナンス付のMoogLadderFilterがクラシックTaurus1と3のベースとブームを再現。
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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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