BOOTHでダウンロードコーナーを開始 – トラックメーカーの楽曲コラボレーションを促進するサービスはないものか?

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BOOTH WAVEFORM LAB

KORG Gadget や(昔の)Reason Studio Reason はプロジェクトファイルを交換すれば。ばっちり楽曲を再現できるのがいい(箱庭型 DAW って勝手に呼んでいるんだけど)、2019年に惜しまれつつもクローズした Allihoopa という楽曲制作特化型 SNS では、楽曲とともに KORG Gadget や Reason のプロジェクトファイルを共有でき、そこからグローバルなコラボレーションが生まれるなど、とても楽しかった。

なので、この波形研ブログでも KORG Gadget の楽曲のいくつかについてプロジェクトファイルをダウンロードできるようにしていたのだが、「リミックスしたよ」とか「ソロ入れてみたよ」なんてフィードバックは全くといっていいほどなく、「まぁ、そんなに需要がないもんな」なんて思っていた。

ブログのプラグイン整理をしていた際に(ダウンロード機能をプラグインで実現していた)、「そういえば何回くらいダウンロードされているんだろう」と思って調べたところ、1,173回もダウンロードされていた。

「1,000回を越えるダウンロードがあって、フィードバックは全くなし」というのは、やり方自体が間違っていたのかな、と思い、Allihoopa のごとく楽曲制作のコミュニケーションを行う方法を考えてみた。

楽曲を作っていて、楽曲のコラボレーションなどのコミュニケーション環境を整えたい、と思っている人は多いと思うのでエントリーにしておく。結論から言えば、キメ手となる手法が思い浮かばなかったので、いい事例をみつけたら教えて欲しい。

楽曲コラボを促進するツール・サービスはみつからない

楽曲コラボを促進するコミュニケーションツールがないものか、調べてみた。調べものをする際にはニーズを整理する。必要な要件は

  • 楽曲のプロジェクトデータを「無料」でダウンロードできる
  • 楽曲のプロジェクトデータをダウンロードした人は個別に認識できる
  • 楽曲リミックスに興味のある人と会話・交流(タイムライン・フォロー)できる
  • その気になれば、データも販売できる

というあたり。BandLab などオーディオデータをアップロードする SNS は既にあるが、イマイチ盛り上がっているようにはみえない。ま、Instagram や TikTok の楽曲ネタ提供も考えてみればコラボを産んでいるんだけど、これはイメージと違うので除外する。

まず、コンテンツの提供。世の中にはコンテンツ販売を行うプラットフォームはいくつかあるのだが、「無料でダウンロードできる」が入ったとたんに「囲い込み」が出来なくなる。

note メンバーシップ

notenote メンバーシップでコミュニティを構築できるサービスを提供している。サブスク型でファンコミュニティを作ることができるのだが、「無料会員」が設定できない。無料会員はそこらへんを通りかかったユーザと同じ扱いだ。あくまでクリエーターとしてファンから支援してもらいたい人向けのプラットフォームという位置付け。

フォロー機能や専用掲示板、コンテンツ配信プラットフォームという点で、Pixiv FANBOX は理想的だ。だけど有償プランしか設定できない。

Patreon
Patreon は音楽アーティストがよく使っているファンコミュニティサービスだ。これも残念ながら「お金を払おう」「支援したい」と思っているファン向けだ。

日本ではこのようなサービスを「オンラインサロン」と呼ぶらしいのだが、検討した全てのサービスが「有償会員」を前提としている、もしくは無料会員になるために会員登録が必要(そりゃそうだけれども)で敷居が高い。ここらへん、ベンチャーの事業計画見極めポイントみたくなっている。

なのでこれといって、キメ手となるサービスがなかった。

既存のサービスを組合せる方法は

そもそもメンバーシップ・コミュニティを前提にすると会員登録が必要な訳で、マイナーなサービスでは敷居が高くなるという負の相関がある。日本国内だけでなく、海外の人とも交流したい、となると使えるサービスはおのずと限られる。

既存の SNS を使うとなると、Facebook グループ、Twitter コミュニティ、Slack、Discord あたりになる。マストドンでもいいかもしれない。

現状 Twitter をやっているから、楽曲のコラボ・リミックスに特化した Twitter コミュニティを作るという案に至ったのだが、投票をとったところ、総表示数に対し「興味ある・入ってみたい」と回答したのは 3% 弱。たぶん、ダメだ。また、KORG Gadget のコミュニティは KORG Gadget Junkiesなどが既にあって、コミュ見ティの分断や分散につながることは避けたい。よって、コラボ専用コミュ案は断念した。

KORG Gadget Junkies

「ユーザを囲い込んで無料でダウンロードさせる、時には販売もする」は、無料・低価格カートサービス BASE や STORES のダウンロード販売を活用する、という手もある。ちなみに数百円の価格帯なら STORES が料率的には良い。

デザインテンプレートを販売しているならいいのだが、KORG Gadget プロジェクトデータをダウンロードするのに「氏名や連絡先の登録・購入する」というのも、なんか違う。

仕事柄、ここら辺のシステムの利用と実際には興味があるのでアカウントを作ろうと資料を揃えたのだが、「これは違う」と早々に判断したタイミングでサービス会社の営業電話があり、「何を販売されるご予定なんですか?」「いや、販売しないんです」「は??」なんてやりとりをした。

プロジェクトデータダウンロードは BOOTH を使うことにした

WAVEFORM LAB STORE
結論からすると、BOOTH でショップを作ってみることにした(BOOTH : WAVEFORM LAB STORE)。BOOTH はご存じ、Pixiv のコンテンツ販売プラットフォームで、まぁ、アクセスすると「本気でコンテンツをクリエイト・販売」する人達に圧倒される。BOOTH は楽曲販売向けの視聴機能や、ダウンロード販売、そして英語モードも持っているようなので、とりあえず、これを使うことにした。

試行錯誤中だが、なんとかショップページを作ってみた。BOOTH を使うからといって、コンテンツ販売に目覚めた訳ではない。プロジェクトデータは従来通り、無料でダウンロードできる。

ここで実験をしてみる。データダウンロードはコラボ用なら無料、リスニング用なら有料 としてみた。

楽曲のオーディオデータはサンクラや bandcamp で聴くのはタダ、持ち帰りたければ有料を実現しているので、そこに価格を合わせておいた。一応、44.1kHz のデータを 96kHz 24bit で録り直しアップロードしている。

BOOTH のコンテンツはみな多彩・クオリティが高いので、BOOTH のヘビーユーザには挑まず、波形研ブログの延長、ダウンロードコーナーという位置づけにしている。こんなことやってる暇があれば、音楽を作れ、ということだよね。ホント。

コミュニケーションはブログ・Twitter・サンクラで

本当は楽曲やコラボ作品に関する交流(コメントを書く・もらう)をしたいのだが、そこはブログと Twitter を使うこととした。DTM をやる人の年齢層はあがっており、「DTMウンチクおじさんが増えすぎて、10-20代の才能が開く前に、嫌気がさして萎えることんあい世界として広がって欲しい」というツイートもみかけて、本当にその通りだなぁ、と思ったので、自分の楽曲の制作云々はブログでやることにする。

長くなったが、楽曲を作っていて楽曲のコラボレーションなどのコミュニケーション環境を整えたい、という人は一緒にいい方法を見つけいこう。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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