九州出張の移動時間にと、前に買ってあった Inside Steve’s Brain を読み始めました。英語の本ではありますが、瀕死の Apple に Steve Jobs が帰還したあたりから現在までのことを中心としているので、 Apple ファンならサクサク読めます(読んだ気になります)。
Time 誌など、各種媒体に掲載された証言を元に Steve Jobs の行動、思考がまとめられています。なかなか面白い事実もあって楽しく読めます。
例えば、有名な「エレベータで Steve Jobs の質問にうまく答えられなかっただけでクビになった」という逸話に代表される「容赦ないクビ切り」ですが、当時 Steve に同行していたアシスタントの Jim Oliver がこの逸話に疑問を呈していたり、 Steve を Apple から追放(される寸前に自分で辞めているのだが)した John Sculley のプロジェクト、我が Newton プロジェクトについても、 Newton チームの大半のエンジニアをクビにすることなく iBook などのプロジェクトに異動させ、雇用し続けたという話も出てきます(でも、トップの経営グループは全員クビになったと記憶してるけど、Sandy Bennett とか)。
ここらへんは Newton @-AtMark- で毎日情報を追っていたから懐かしいですよ。 当時の記事によれば、1997年9月9日に Newton チームメンバーと Steve Jobs は面談をやっていますね。
話が逸れましたが、再建当時の証言は流通している Steve のイメージとは少々異なっています。
“If Apple is going to survive, we’be got to cut more,” Oliver recalled Jobs saying. “THere were no screaming matches. There was no calling people idiots. It was simply, ‘We’ve got to focus and do things we can be good at.'”
Apple 経営陣に対して NeXT を売り込むプレゼンテーションは「素晴らしいプレゼンテーションで自身満々に NeXT を売り込んだ」とされていますが、
During negotiations, Jobs was very low key. He didn’t over-sell. It was “a refreshingly honest approach, especially for Steve Jobs,” Amelio said. “I was relieved he wasn’t coming on like a high-speed train. There were places in the presentation to think and question and discuss.”
と前 CEO のアメリオが証言しています。なんまイメージと違いますよね。「勝つ」プレゼンってこういうものなのかもしれません。
なかなか興味深い本です。英語ですが Apple ファンはチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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