通常ピアノは1音を複数の弦で再現している。高音部は3本くらい弦を張っているもが普通だし、中音域でも2本で鳴っている。これらの弦の調律を調整することで、音色を作っているといっていい。また弦楽器を弾いている人も分かると思うが、打弦する位置で音色も変わる。普通のピアノは打弦位置を調整できないので(グランドは横にスライドするけど)、打弦ポイントがそのピアノの個性の源になっている。また響き板も音色を左右する大きな要素だ。それがピアノの常識だ。
Native Instruments から新製品の案内メールがきた。
UNA CORDAは、1つの鍵盤に対して弦を1本のみ使用したアップライトピアノの独特なサウンドを再現しています。
「なんだって?」。これは聴いてみたい。果たしてどんな音が鳴るのか。か細い音なのか、繊細な音なのか。めっちゃ興味あります。
ということで、Native Instruments の新音源、UNA CORDA だ。オーディオデモを聴くととにかく可憐な素晴らしい音がしている。「こんなピアノがこの世に存在するのか」。ピアノ音源マニアには衝撃なサウンドだと思う。
このピアノの特徴は UNA CORDA:オリジナルインストゥルメント にまとめられているが、UNA CORDA は David Klavins が製作した Klavins Una Corda Piano の特製88鍵バージョンをサンプリングしている。1音につき1弦で構成される特殊なピアノで、減音用(もはや減音用途ではないと思うが)にはフェルト、コットンを使用。音源としてもこれら2つの素材を挟んだバージョンを含む3色の音源を収録している。また反響音や機械音などのノイズを個別にアサインできる。
とにかく一度、聴いてみて欲しい。モダンなハンドメイドピアノの世界も深いなぁ、と。ルックスからは信じられない音がします。この音源、欲しいです。ちょっとお高いけど(笑)。
コメント