Arturia もとんでもない(ルックスの)楽器を発表してきた。Arturia MicroFreak 、開発者いわく「実験的なシンセサイザー」だ。こういう派手なルックスのシンセサイザー、好きですよ。
でも、コイツが断然に気になるのは CV/Gate アウトプットを搭載しているところ。時代がタイムスリップしたようだが、モジュラーシンセ時代の到来にあわせ、CV/Gate を搭載したキーボード&シーケンサーが絶対的に必要なのだ!
デジタルオシレーター+アナログフィルター
シンセサイザーとしての構成は、11種のデジタルウェーブテーブルオシレーターにアナログのフィルター。多様な波形を出力できるデジタルシンセスに、ファットなサウンドを実現するアナログフィルター(回路的には 12-dB Oberheim SEM を参考にしている)の組み合わせ。4音ポリまでいける。
デジタルウェーブフォームを使うことでワイルドでバラエティに富んだ音を出すんだけど、意外にもディストーションドライブやディレイなどのエフェクトは搭載していないのね。
音源部の開発は Mutable Instruments とコラボレーションらしい。ICON さんが Arturia MicroFreak 開発者のインタビューをしている。これを読めばよろし。こういうオリジナルの取材って本当に大切だよね。ありがたや。
読む限り、かなりバラエティに富んだ音を出力しそうだ。これをアナログのフィルターで弄ると。
タッチ式ながらアフタータッチにも対応する変態キーボード
ガジェット感を増幅させているのが Music Easel のような PCBキーボード。タッチ感圧式で動くパーツはないプリントしたようなキーボードだ。KORG の Volca シリーズや Stylophone をイメージしちゃうんだけど、なんとタッチ入力はベンドやアフタータッチにも対応している。一体なんなんだこれは。MicroFreak はポリフォニックなシンセサイザーなので、当然、和音で弾ける。25鍵仕様。
シーケンサー・アルペジエーターも搭載、CV/Gate 出力でモジュラーシンセの司令塔に
64ステップのシーケンサー、アルペジエーターを搭載。デュアルパートなので、ベースパターン+メロディシーケンスなんてこともできる。4つのモジュレーションパート、スィング設定に加え、ランダムにパラメーターを変化させる Spice(スパイス)・Dice(サイコロ)機能も搭載。遊び心満載。
そして、CV/Gate(と Pressure)出力が可能。これでモジュラーシンセの操作起点として使うことが出来る。Arturia は CV/Gate に対応したシーケンサーコントローラーとして、BeatStep PRO を販売しているが、これが 249ドルであることを考えると、MicroFreak の販売価格 349ドルは激安といっていい。まさに This truly is a budget-friendly synth like no other. だ。この春に発売とのこと。
近年の楽器メーカー各社は、手ごろな価格の電子楽器にトライしている。今時、20万円クラスの楽器がポンポン売れる時代でもないんだろう。むかし、iPod が文字通り飛ぶように売れた時、家電販売店の店員が「 5万円の iPod が100台売れれば 500万ですからね、これくらい1日でさばけますから」と話していたのを思い出す。
そのためには 「出音」を起点にオリジナリティ溢れた音源を設計し、安く生産する、というのが基本になっていると思う。リーズナブルなシンセサイザーで音楽制作にチャレンジする人が増えればエクセレントだ。
春に発売か。ホント、待ち遠しいなぁ。
ちなみに、Arturia は今年まだまだ新製品を出すと宣言しています。
We’re going to have big news for you in 2019, starting with our announcements at #NAMM2019, and especially #MicroFreak. But we’ve got more coming!
Stay tuned to discover our new product releases 🔥 #Arturia #YourExperience #YourSound pic.twitter.com/Buj4pcvzUH— Arturia (@ArturiaOfficial) 2019年1月25日
国内販売はじまりました。
コメント
Arturia の新製品に期待ですね。
すいません誤植でした。聞いたのは iPod です。あれ、原価率も結構よかったので iMac 売るより利益率よかったそうです。
” 5万円の iPad が100台売れれば 500万ですからね、これくらい1日でさばけますから”
なるほど。
まあ薄利多売かと思いますが、ニッチな音響機器でその手が使えますかねぇ。
一応、予想はたてているかと思いますが。
演奏側としては安くなるのはありがたいです。