すごいニュース、Roland Cloud の国内提供がスタートしました。 Roland Cloud は50種類以上のローランドのシンセサイザーやグルーブボックスなどをローランド自身がソフトウェア化した Webサービス。「ローランドのサウンドを満載したスタジオ」であり、海外では既に一部でサービスを提供していた。
今回、ローランドのコアエンジン ZEN-Core をソフトウェア化した ZENOLOGY 音源も発表。無料で使えるフリープランも提供される。
アカウントは持っていたのでアクセスしてみたんだけど、ちょっと広大すぎるので順を追って紹介します。
Roland Cloud とは
Roland Cloud は記憶だと 2018年に登場したローランドのシンセサイザーやグルーブボックスのソフトウェア音源やオリジナルパッチを提供するサブスクリプションタイプの Webサービス。
ローランド音源といえばクローンやサンプル音源がたくさん流通しているが、なんせ本家によるソフトウェア化と、「ローランドのシンセサイザー類はほとんどあるんじゃないか」という50種類を越えるカタログが魅力(ほんと、ローランドの機種、50個あげられる?って話)。
SH-101 や JUNO-106、JUPITER-8 や TR-808、TB-303 のようなアナログシンセサイザーから、JV-1080 や自分も保有している XV-5080 といったラックマウントタイプの音源、SRXシリーズの音源、そして多数のオリジナルのソフトウェア音源、パッチライブラリがこのクラウドに集まっている。そのカタログはあまりに膨大で、茫然とする規模。
メンバーシップ
まずはメンバーシップ、つまり料金体系から整理させてくれ。現在、Roland Cloud のメンバーシップ は Free、Core(月額 $2.99・年間 $29.99)、Pro(月額 $9.99・年間 $99)、Ultimate(月額 $19.99・年間 $199) の4種類。いつの間にかフリープランが存在しているのは驚いた。
かつては完全サブスクリプション制だったと思うんだが、フリープランでは ZENOLOGY Lite ソフトウェアシンセサイザーのほか、各音源を個別に買い切りできる Lifetime Key を購入できる(Lifetime Key 購入は全プラン)。これは朗報。
正直、Legendary カタログとSRXシリーズのソフトウェア・インストゥルメンツ、Anthology、Tera、Flavr、Drum Studio各シリーズのすべてを使える Ultimate でさえ年間で2万円強だから、そんなに高くないし、伝説的な名機カタログの LEGENDARY の音源は1台 $149.00 だから個別にキーを買っていくと結構な金額になる。TB=303やTR-808/909、往年のシンセサイザーを使いたいなら、Ultimateプランの方が安く感じると思う。
Roland Cloud Manager
最近はプラグインエフェクトやソフトウェア音源の管理専用のアプリケーションを提供するベンダーが多くなってきたことでプラグインのバージョン管理がしやすくなった。Roland Cloud では、Roland Cloud Manager アプリが用意されており、メンバーシップ、ニュース、音源ライブラリの管理がこのアプリケーションで全部可能になる。
名前もバージョンも錯綜した KORG Legacy Collection に比べて管理がしやすい(ごめん)。ここは Webサービスを続けてきた経験が大いに生かされていると思う。Roland Cloud Manager の存在は大きいと思う。
ソフトウェア音源カタログ
「ではともに行こう、バナージ君」。ソフトウェアのカタログを整理する。正直、気が遠くなるほど秀逸なカタログが続く。
まず、実在するハードウェアのソフトウェア音源や、ソフトウェアオリジナル音源、拡張カード音源、パッチなど膨大なカタログは、下記のジャンルで整理されている(DRUMS のように機器の重複はある)。Roland Cloud Manager でカタログを一覧できるので理解はしやすい。
- ESSENTIALS
- ZENOLOGY音源をまとめた ZENOLOGY
- ハードウェアの名機を集めた LEGENDARY
- 拡張音源カードサウンドを集約した SRX
- AIRA SYSTEM-1/8 など AIRA ブランドを集めた AIRA
- 各種オリジナルサンプル音源を集めたANTHOLOGY
- ドラム音源を集めた DRUMS
- 音楽ジャンルに特化したソフトウェア音源集の FLAVR
- ギター・ピアノサンプル音源 Tera シリーズの TERA
- ソフトウェア音源のパッチを集めた PATCHES
各種音源は VST 3.6互換/ AudioUnits V2 AU互換が中心で、LEGENDARY 機種は AAX も用意されているものがある。
ローランドの音源はこれで決まり
あと、ZENOLOGY が残ってるんだけど、ZEN-Core あたりの情報を盛り込みたいのと、 LITE 版を試せるはずなので、次回にレビューとしてエントリーをおこしたく思います。
「圧倒的じゃないか」という感じのローランド・ザ・ワールド。Roland Cloud、DTM/DAW ユーザはマスト登録と思います。ぜひフリープランから試してくださいませ。上記にポイントとしてあげている「個別にシンセを買うか vs Ultimate プランを契約するか」を念頭においてもらえるとよきかと。
楽しんで!
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