正しい質問をするのは簡単なことではない。おそらくそれだけで1冊の本になるだろう。教育を変えるには、試験のあり方を考え直す必要があるかもしれない。わたしが学生だったころには「答え」に重点が置かれており、答えを記憶することで成績が測られた。
今では、小型の電卓からパーソナルコンピュータに、グーグル、ウィキペディアまである。にもかかわらず、世界中どこの教育システムを見ても、昔と同じように答えを出すことが重視されている。
今の時代、答えはたんなるコモディティにすぎないというのに。将来は、正しい質問をすることを教育の中心に据えるべきだろう。
ムーンショット! – Moonshot! ジョン・スカリー著 p.210
「今の時代、正しい答えより、正しい質問ができるかが重要である」という考えはスカリーが考案したものではないだろう。しかし、マーケティングで世界を変え、ガチガチの戦国時代だったコンピュータ業界を生き、様々な業界のベンチャーを起業し、または育て、いまだ現役で1週間に7日働くというジョン・スカリーが「これは本当に大切だと思う」と誠実に記した言葉だと思う。
2015年の人工知能元年を経て、急速に社会は変わっていく。人に求められる能力も大きく変わるだろう。これからのビジネスマンに求められるのは「課題設定力」だと思う。顧客に、ビジネスに、キャリアに、人生に、「適切な課題」を設定できるかがその人の「人生の質」を決めるような気がする。
ムーンショット! – Moonshot! ジョン・スカリー著(2016.2.20)
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