アップルがインテルを採用?

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この記事は注意深く書いてみる。僕の記事は「アップルがインテルを採用?」だ。「アップルがインテルの CPU を採用」とは書いていないので(笑)。

共同通信社が本日、アップルがインテルの MPU を採用するかもしれない、という噂があるという内容の記事を数本配信している。どれも情報源は Wall Street Journal なので、国内の IT ニュースサイトにも、もうすぐ掲載されると思う。

これらの記事は「今回の交渉にくわしい業界幹部2人は、アップルはインテル社製品の使用で合意するだろうとの見通しを示している。」としている。けど、この記事の情報元である交渉に詳しい業界幹部は MPU かどうかは直接的に示唆していない。採用するのがインテルが製造した(MPU以外の)パーツだったらこれまでも実績はある。

これも事実として、2004年のとある四半期のアナリストミーティング(ストリーミングが公開された)の中で、 IBM の Power PC G5 プロセッサの性能改善が公約通りに進んでいないことをアナリストに指摘された Steve Jobs は「 Mac OS X のようなモダンなオペレーティングシステムはインテルのチップに移植するのは簡単だが、 IBM の強力なプランに不満は感じていない」と発言している。

でも、2005年4月に発売された Power Mac G5 のクロックは 2.7GHz だ。2003年6月の最初の Power Mac G5 の 2GHz からわずかに 0.7GHz 、まるまる2年間で35%しかアップしていない。楽観的な2004年の時点よりアップルがプランが悪化したと認識している可能性はある。

しかし、 PlayStation 3 の CPU は IBM の PowerPC をベースとした設計でマルチコアで 3.2GHz で動作する。 Power Mac G5 でデモを行っている Microsoft の XBOX 360 も同じく Power PC ベースのマルチコアで 3.2GHz で動作する。しかも年内発売だ。 IBM のプロセッサ開発がゲームコンソールに全力をあげていて、アップルが後回しにされていることはあるかもしれないが、年内に3GHz突破はありえないことではない。

(僕が想像するに)実際は IBM の PowerPC G5 プロセッサの性能改善が思うように進んでいないという状況の中で、アップルがインテルとなんらかの交渉を持った、というところだろう。本当に CPU 採用を検討しているのかは分からないよな。

インテルの CPU を使う可能性としては、個人的には「ありそうもないけど、ないとは言えない」というところ。大きなイミグレーションをするつもりなら WWDC で発表を行うはずだし、その作業は数年がかりだ。「いずれ、アップルのハードウェアで Windows がネイティブに動作する(その反対でもいいか)かも」、というよりは、「次世代ゲームコンソールがこぞって IBM の MPU を採用しているのに、あまりに天の邪鬼ではないか」という方が的を得ている。

天の邪鬼といえばアップルの DNA だからなぁ(笑)。

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波形研究所 所長

WAVEFORM LAB(ウェーブフォーム・ラボ) は音楽制作、デジタルライフ、イノベーションをテーマとするサイトです。

1997年、伝説の PDA、Apple Newton にフォーカスした Newton@-AtMark- を開設、Newton や Steve Jobs が復帰した激動期の Apple Computer のニュースを伝えるサイトとして 200万アクセスを達成。2001年からサイトをブログ化、2019年よりサイト名を WAVEFORM LAB に改称、気になるネタ&ちょっとつっこんだ解説をモットーにサイトを提供しています。

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コメント

  1. Xbox 360のゲームデモ、動かしていたのはG5 Mac

    Xbox 360のゲームデモ、動かしていたのはG5 MacとMSが認める、という記事がありました。
    http://japan.cnet.com/news/tech/story/0,2000047674,20083533,00.htm
    2005/05/16 10:48
     Microsoftの新型ゲーム機に対応するスタイリッシュなビデオゲームの映像は、Xbox 360

  2. 山本浩二 より:

    話がちょっとそれますが、このノキアのインターネットタブレット……Linuxで動作、4インチのサイズ……。CPUの情報がどうも見つけられないんですが、動作時間を考えるとxScaleとかなのかな? それとも独自でしょうか。いずれにしても、ネットとメディアプレイヤーに特化したLinux端末。CNET Japanによると350ドルと言う、かなりお手頃な値段。魅力的ではないでしょうか? これでNewtonエミュレータ動かんですかね。

  3. t4e より:

    そういえば、NOKIAからこんなものが発表されてました。
    http://www.nokiausa.com/… ”

  4. 山本浩二 より:

    ノキアのインターネットタブレット
    こんな感じもいいかも。x86でMacOSXのライト版のっけて。
    ノキアのはちょっとごつい感じがする。Appleだったらもっとシンプルにクールにやってのけてくれるだろう。
    >どうせならCellプロセッサ
    大いに見てみたいですね。

  5. GNUE(鵺) より:

    あと、IBM と東芝が SCEI とどういう契約になっているかによるけど、どうせなら Cell プロセッサを使用した Mac を見てみたい(^^;

  6. GNUE(鵺) より:

    個人的には
    – Power Mac G5 の拡張スロットに挿す x86 PC互換ボード
    – XScale を使ったブレードサーバ
    – XScale を使った HDD-DVD レコーダ
    なんてのはありかな。

  7. sumitatsu より:

    そういえばStrong ARMもintel扱いなのでしたっけ。
    となれば、来るかな?新生Newton(^^)

  8. さい より:

    絶対いやなのは、筐体に[Intel Inside]ステッカー。
    もしのもしのもしのもし、ですが、将来デスクトップはIBM CPU、ノートはIntelもしくは他社。というのはあり得るのでは。そしてStrong ARMは?

  9. 山本浩二 より:

    ふと思った。
    もしのもしのもし、インテルインサイドになった場合、ネーミング変わりますよね。G3とか、G4とかの。どうなるのか……?
    PowerPC故のPower Macだし、ジェネレーションのG3、G4だし。
    iMacみたいなシンプルなネーミングになるんでしょうかね。
    pMac……ピーマンみたいで絶対やだ(笑)。

  10. 山本浩二 より:

    思ったよりいろんなところで取りざたされてますね。
    クロック数があがらないことに業を煮やすというのはありそうな気もしますが。
    おまけに、IBMはCellプロセッサにご執心(それはそうでしょうね。出るパイの数が違いすぎる(^^;)。乗り換えもありえるかもしれません。今までの経緯を考えると無さそうだけれどな〜。
    >タブレット型だったらあり得る
    安価なタブレット型を出してくれないかな〜。やっぱり絵描きにはタブレット型が欲しいんだけれど。

  11. N@ より:

    いや、iTunes リモコンやターミナル/タブレットだったらあり得る。というか、やっぱり Newton ?

  12. GNUE(鵺) より:

    XScale 採用なんてことはないですかね。これもインテル製品ですし :-)

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