iTunes Match を使いはじめて1週間が経過した。つい先日までは、iPhone に収容されていた楽曲は 3,277曲。この 3,000曲は iPhone の容量の問題から「(通勤などで)聴きやすい音楽」で構成していたのだが、容量セーブのための厳選ライブラリとはいえ、iPhone の空き容量は 500MB くらいでアプリのインストールやムービーの撮影では四苦八苦、呑み会やバンドの練習での突発需要( CD は持っているけど、iPhone には入っていない)には対応できず、そして何より、プレイリストでのシャッフル演奏でも「馴染みの曲」ばかりで面白みに欠ける感じがしていた。
週末を使って自宅のライブラリを再び iTunes にリッピング(900アルバム、約8,500曲、再生時間は30.1日)。この中から Jazz / Fusion、Rock / Pop、 Techno / Electronica を中心に 8,378曲を iTunes Match で iCloud へアップロード。楽曲ライブラリは約 2.5倍、自宅の音楽ライブラリのすべてが手のひらの iPhone に入っちゃった、ということに。
約 5,000曲が追加されたんだが、これらは「ここ数年は全く聴いていなかったアルバム」が多い。電車通勤に向かないドジャズ(通勤の電車は地下パートがあるので騒音で聴こえない)、難解なプログレッシブロック(1曲が長い、アルバムを通して聴かないと聴いた気になれない)、昔のロックのアルバム、買ったきり聴いてなかったアルバムなどなど。自分のミュージックライブラリ全体を使ったスーパーシャッフル をすると発見があって実に面白い。正直、はじめて聴く感覚の曲も結構ある。
iPod が登場する前までは、その日聴きたいアルバムを朝にセレクトして、数枚の CD や MD を持っていくのがせいぜいだった。シャッフルなんて音楽の楽しみ方は存在しなかった。初代 iPod を夜に持ち出して、ひとり海辺に獅子座流星群を観に行ったことを思い出す。2001年11月のことだ。海辺の公園に寝そべり、iPod ライブラリから 80年代ポップスをシャッフル。何の曲が次に流れるか分からないワクワク感に、「人を幸せにするデバイスってこういうものなんだなぁ」と思ったものだ。
あれから 12年と半年。日本は米国より少し遅れて、自分のミュージックライブラリ全部を外に持ち出せるようになった。この世には定額音楽聴き放題サービスもあるが、iTunes Match は自分がお金を出して買った(貰ったものもあるかもしれない)、自分縁(ゆかり)のミュージックライブラリサービスだ。
通勤の満員電車で、帰りに街をブラブラしながら、出張先のホテルのベッドの上で、休日の喫茶店で本を読みながら。日々の生活にもっと音楽を!久しぶりにワクワク、音楽が聴けそうだ。
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