2015年、あの伝説の ARP Odyssey を ARP ODYSSEY として復活したコルグ。なんと今度は iOS アプリに移植してしまいました。iPhone / iOS アプリ、ARP ODYSSEi(最後の Y が i になってる)が登場です。通常価格¥3,600 が 33%オフ(11/30まで)とのこと。
ARP ODYSSEY & more
人々の心に残るARPサウンドを、現代に生きるさらに数多くのプレイヤーに、より手に取りやすいデバイスで届けたい。そんな思いから、iPad / iPhone用アプリ「ARP ODYSSEi」は誕生しました。
おいおい、それは嬉しいがハードウェアが売れなくならないか、正直。
ARP ODYSSEi の構成を見ると、ARP ODYSSEY で人気のディストーションエフェクト DRIVE もついている。通常のキーボードに加え、タッチパッドならではの XY PAD(Touch Scale機能)を搭載している。エフェクトは DISTORTION 、PHASER 、CHORUS / FLANGER / ENSEMBLE 、EQ 、DELAY 、REVERB と至れり尽くせり。
ARP は基本モノフォニックのシンセサイザー(VCO が2つあるから構成によっては2音まで出る)。 ARP ODYSSEi はモノフォニック、デュオフォニック、ポリフォニックの各モードがあるので、本家を超えた感もある。マシン性能にもよるのかもしれないが同時発音数は8音ポリ、ユニゾンモードは VCO1/2 2構成で16音まで設定できる。トータルボイスはユニゾンモードの設定音数によるが 32音まで設定できる。マルチティンバーではないので使える音色は同時に1音色だ。
ARP のデザインを再現した3つのバージョンが楽しめる。Rev3 の標準デザイン(黒パネル&オレンジ)以外に、白パネルの Rev1 、黒パネル&金パネルの Rev2 のデザインを選択できる。標準のRev3 には 100 サウンドが搭載されており、アプリ課金で購入する Rev1 と Rev2 にはフィルタ回路が異なった 50サウンドが付属する。
対応バージョンは iOS 9.3 以降。iPad Pro、iPad Air 2、iPad Air、iPad mini 4、iPad mini 3、iPad mini 2、 iPhone 7 Plus、iPhone 7、iPhone 6s、iPhone 6s Plus、iPhone 6、iPhone 6 Plus、iPhone SE、iPhone 5s、iPod touch 第6世代となっている。「iPad 第4世代/第3世代/2/iPad mini、iPhone 5/5c/4Sは非対応です」。はい、もう慣れました。その表現。僕の iPad mini は音源にならんのです。
Audiobus2、Inter-App Audioに対応、KORG Gadgetならビルトインの音源として使うことが出来る。MIDI 関連は Core MIDI / Virtual MIDI / Bluetooth MIDI 対応。完璧。調べたところ、音色のエクスポートには対応していないので、KORG Gadget であってもパッチを組み直す必要あり。まぁ、このへんは将来のアップデートに期待ですかね。
KORG 電子回路モデリング・テクノロジー CMT 恐るべし
オリジナルの ARP ODYSSEY(KORG)は完全アナログ回路(VCO)。コルグの CMT(Component Modeling Technology)ベースならこれまでも MS-20 を iOS に移植した実績があるから、まぁ、確かに出来るんだろうけど、最初に DAW 版を出さないか?普通。あ、それだと完全にハードとカニバるからか。でも、iOS アプリのために CMT 化とは贅沢だなぁ。
CMT(Component Modeling Technology)
回路の再現には、KORG Legacy Collection から長年培われているコルグ独自の電子回路モデリング・テクノロジー CMT(Component Modeling Technology)を採用。これは一般的なモデリングで行われる出音のシミュレートではなく、ハードウェアで使用していたトランジスター、コンデンサー、抵抗といった部品をデジタル化し、それらを使ってハードウェアと同じ回路を再構築するという手法です。これにより、ARP ODYSSEY の回路全体から生まれる複雑なサウンド/パラメーター特性を完全に再現しています。
CMT は回路図さえあれば比較的簡単に再現できちゃうんだろうか。魔法のようだ。とすると、社内には他社含めいろんな楽器を再現した R&D 版があるんじゃなかろうか。
iOS アプリを DAW に
iOS アプリの Mac DAW 接続は studiomux で可能だが、方法なら以前に紹介している。
これなら、外出中に音作りやステップシーケンスを組んでおいて、自宅やスタジオで DAW に取り込み、なんてことが簡単にできちゃう。凄い時代になったもんだ。
ARP ODYSSEi は非常にしっかりとしたシンセサイザーなので、音色作りの追求には iPad が便利だ。iPad で作った音色を iPhone に持ち込めれば最高なんだけど。
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