WWDC 2016：エレガントな戦略よりイノベーティブな戦略を

今年はリアルタイムで追いかけなかったけど、WWDC 2016 はどうでした？まぁ、顧客向けのショーではないから新製品の発表などは期待はしてなかったけど、ワクワクするような新しいインターフェイスや機能の話はあまりありませんでしたね。WWDC としては平均点くらいでしょうか。

watchOS

最初は watchOS 。「起動が劇的に速くなる」と聞くと、「OSが最適化されてロケットスタートするんだ！」なんて少年のようなことは思いつけず、「少ないメモリに先読みしておくのか」とか「常に起動していてデータ更新するからバッテリー減りそう」なんて思ってしまう疲れたおじさんです。

インターフェイスは改善されていくのはいいこと。ただ、ディスプレイへの手書き文字入力は日本語は対応してないんだろうなぁ。驚いたのは Breathe App。ヨガのような深呼吸アプリが watchOS のキラーアプリとは Wii Fit かと思った。なんか Apple Watch の商品価値がズレてきているようで心配。というか、Apple Watch 2 を待っているうちに老眼が進んでディスプレイが読めないかもしれないのが一番心配。

tvOS

tvOS は Siri の機能改善とユーザインターフェイスへのダークモード搭載。チャネルが増え、シングルサインオンに対応した。うーん。

最近、うちではテレビにゲームやビデオを表示している時間が減っている。エンターテイメントは iPhone や iPad に移っているともいえる。ならば、リビングにテレビではなく HDMI モニターを置いて、Apple TV はリビングにあるモニターをホームキットセンターにしてしまう、というような提案はないんだろうか。

macOS Sierra

次、macOS Sierra 。macOS に名前が変わったけど、旧 MacOS が 1984年から2001年までで16年強、OS X が 2000年9月からでもうすぐ16年、といよいよ OS X 系の時代が長くなるって知ってた？特に MacOS という言い方は Mac OS 7.6 から。それまではシンプルに Mac、もしくは System ＋ナンバー（System 7とか）、日本では 漢字 Talk って呼んでた。MacOS が公式に没したのはそう、2002年のWWDC。

Siri が Mac にやってきた。いつかやってくると思ってたから驚きはないけど便利は便利。これは既に MacBook にインストールしているから詳細は言えないけど、「システム環境設定を開いて」とか「今日の16時にミーティングを登録」なんてことは、実は前から出来たりしてたので目新しくはない。まぁ、Mac が小粋な返事をしてくれたことはなかったけどね。

新しいファイルシステム、Apple File System (APFS) の方に興味あり。

iOS

10番目のリリースとなる iOS 10。インターフェイスまわりを改善し、メッセンジャーを強化、Siri をサードパーティに開放、フォトやマップを改善。うーむ、地味。地味ながらの進化は大切なんだけど、手持ちの iPhone や iPad が夢のデバイスに変身することはなさそうだ。あ、イノベーションはない、ということか。HomeKit はモノのインターネット化を後押しする重要な施策。HomeKit は14年には登場してたけど、イマイチ活用が進んでいない。そろそろ成果を見たい。

What’s New in Subscriptions（App Store の規約改定：2年目からは85%を還元）の話は出たっけ？これが開発者にはビッグニュースだと思うんだけど。

人工知能による画像処理などを端末サイドで行う、という徹底したプライバシー対応はコンシューマ製品としては重要な話なんだけど、テレビでは「画像をスライドショーに自動的に作成」くらいの扱いだったのが残念。iOS 10 を手持ちの iPhone にインストールするかは思案中。以前、β版で絶対必要なタスクが実行できずに大変な思いをしてダウングレードした覚えが。えーと、あ、Ingress がちゃんと動かなかったんだ（苦笑）。秋のリリースに向けてインターフェイスまわりの未発表ネタはあるかも。